板金・塗装


板金塗装なんて大げさだけど、ここではフレーム修正の必要がない自分でも治せるであろう板金修理を紹介します。

事故を起こしてバンパーがひしゃげてしまったり、ボンネットがへの字になったりしちゃうともうお手上げなんて言う人は結構多いと思います。実際のところ板金作業は大変なんですが、きちんと保険さえ入っていれば、多くの場合お小遣いがもらえちゃったりします。ここで紹介する例は実際僕が起こした事故の話です。事故車はR32。状況はこうです。彼女とコンビニへ買い物へ、用を済まし走っていると前方に信号待ちの車が2台。ブレーキに足をかけて軽くブレーキを踏んでいると彼女が右を見ながら「あっA君」と言うではないですか。これってついつい振り向いちゃいますよね。彼女今度は前を見て「あっ!」って言うんです。またまたつられて前を見ると車は目の前。ドリフトをやっているせいもあって結構冷静にきつく、ロックしないように踏んだのですが・・・。「スカッ」と言う感じで表現すればいいでしょうか。ブレーキが床についたのです。とっさに気付きました。こりゃクラッチだーーーーーーーぁっ!ガシャーン!キキーッ!グシャーン!いい音でした。要するに僕はよそ見をする前に、左足をフットレストへ、右足をブレーキにおいていたのです。ああ情けない。とっさに右足でクラッチを踏んだのでした。だから事故っているのにエンジンは止まらなかったのです。チャンチャン。僕のぶつかった車はホンダのToday、その車は吹っ飛んでいってさらに前のクレスタへ。Today廃車さらに乗っていた人は鞭打ち、クレスタ見積り50万、自分の車も廃車。と、まあこんな具合です。一応僕は車両保険に25万円入っていましたが・・。
で!どうなったかって言うと、払ったお金0円。自分の車は、エアロバンパーで完全復活、ついでにオールペンもして、余りに余ったお金でインタークーラー買ったりなんかしちゃったりして。要するに自分で直すとこうなるということです。ちなみに車両保険の限度額を超えると免責がかからなくなります。たぶん・・。


1 現状を確認する


まずは自分の車を良く見てみましょう。どこまでダメージか来ているのか。ここで紹介しているのはあくまでもフレーム修正機での修正を伴なわない、事故としては至って軽度の部類に入る板金なので、ドアが開かなくなった、隙間がずれた、などのフレームから来る症状が現れている場合は、普通プロに任せたほうがいいかもしれません。多少の事ならこのまま進んでもごまかせますけど、特に下回りは注意してください。走っていてポキッと折れたりしたら結構つらいです。ここでも考え方によっては、ボディーを捨てるなんて言うのも手かもしれません。同車種の下のグレードとか、兄弟車などを使ったほうが楽に終わるかもしれません。エンジンを積み替えたりする設備がいるけど。後輩はこの手を使って10万円の車を仕入れて来てました。色んな方法がありますがここでどうして行くのかを決断しましょう。


2 パーツを外す・部品を注文する

まずはぐちゃぐちゃになってしまったパーツを外していきます。この時重要な事はパーツごとにネジをまとめておく事。これをしておかないと後でネジがあまったなんて事になってしまうので注意しましょう。ボンネットなどの大きなパーツは友達などに手伝ってもらった方がいいと思います。ここでどれだけのパーツを注文すればいいのかが大体わかると思いますので注文しましょう。ここでのポイントは、なるべく中古のパーツを使うこと、電気系のパーツとは違い外装部品はそれなりの強度を持っているので中古品で十分なのです。但し、中古パーツの相場はないような物で、例えば名〇〇解体は高い。なんて思っているとあるパーツではすごく安いなんて事も良くあるので最低でも2〜3件は電話で問い合わせするようにしましょう。注文の前には自分の車の車検証、欲しいパーツの正式名称ぐらいは控えておいたほうがいいと思います。


3 板金する


板金ハンマーとドリーを使って叩きます。とにかく叩いて叩いて叩きまくるのです。設備なんてないんだから自分の持っている工具を最大限に使うのです。ジャッキをかまして無理矢理戻すなんてのもなかなかいいです。でもあまり詳しく説明するとボディーショップの人が見て笑うのでやめておきます。ひとつだけ言えることは、板金で完全に元の形にするわけではないことです。やっぱりハンマーを当てた所は多少波を打っていたりしますので最後はパテで仕上げる。板金屋も例外ではないのです。


4 仮止めして位置を合わせる


形が整って来たら注文したパーツを組みつけていきます。すると大抵の場合はきれいにラインや隙間が出ないと思います。計測する道具もないので当たり前と言えば当たり前ですが、ここは地道に、叩いて組んで、を繰り返してラインを完全に出しましょう。ここが勝負です。


5 パテ盛り・塗装

位置決めが完全な状態になったら次はパテを盛りましょう。パテは関西ペイントの板金パテ、ポリパテを使っています。別に一般の人も買えるし割安なのでこの際買ってしまいましょう。パテの削り方やラインの出し方ははっきり言って口で説明するのは難しいです。ただ努力あるのみなんですが、アドバイスとしては、左官屋さんが使っているコンクリートやモルタルを平らにならす道具が結構使えます。未だに使っているし、完全に補修したことがわからなくなるように出来ます。自分の車です。がんばりましょう。パテ盛りが終わったらプライマーサフェーサーを吹きましょう。塗料は缶スプレーでも十分です。回りのマスキングは忘れずに。

結構飛んでいきます。脱脂も絶対やっておきましょう。塗料がはじいたら一貫の終わりです。やり直しです。シリコンオフと言う名で販売してます。次にサフェーサを塗った部分が良く乾いてから#600くらいのヤスリでペーパー掛けをして肌をならしてあげましょう。跡はボディーと同色の塗料を塗ってあげればまあまあいい感じになると思います。塗装の仕方ですが、補修したい部分を右から左、左から右へと重ねながら仕上げていきましょう。塗りすぎれば垂れるし、足りないとミカンのような肌になってしまいます(柚子肌)。部分塗装なのでぼかす部分が必要になります。なぜなら缶スプレーがいくら専用の色でもまったく一緒な訳ではないからです。今回の場合、フロントの損傷で替えたパーツがボンネットだけなのでぼかし部分は左右のフェンダーで行うことになります。アールのきつい部分、プレスラインなんかをうまく使うと楽です。まー簡単に言えばグラデーションをする感じです。間の部分は薄く塗りますよね。自分が動かないまま、スプレーを持って正面から左右に持って行くと手がボディーから離れていきますよね。その原理を利用して最後は離れていく感じで塗るとうまく行くと思います。後はクリアーを塗るのみです。クリアーはぼかした部分より大きく、なるべくパーツ単位で。例えば今回は、ボンネット、あとフェンダーでぼかしたので、塗るのはボンネットと左右フェンダー全部です。ここでアドバイスできること。一つは缶スプレー。スプレーによって艶に大きく差が出てきます。お勧めはオートバックスに売っている缶スプレーの小さい方。こっちの方はかなりいい仕上がりが期待できます。もう一つは下準備。塗ろうとする場所のほこりは取るわけですけど、ぜーったいにタオルや手で取らないように。静電気が起きてさらにほこりが乗ってくれます。タッククロスと言う静電気の起こらない生地で取るのが理想的ですが・・・普通持ってないし以後あまり使わないと思うので、ヤスリがけの時点で、ヤスリを耐水にして濡れタオルで拭くという風にしておけば静電気もほこりも最小限ですむと思います。カラーを塗り始めたらクリアーを塗り終わって乾くまで絶対触れてはいけません。触った部分がムラになってしまうことすらあります。あとは缶スプレーの温度。缶の下を温かいお湯に浸しておきましょうミストが細かくなっていい仕上がりが期待できます。後は塗料のハジキ防止に1回薄く塗って乾いたらたれや塗り肌を気にしながら一気に仕上げましょう。少し時間を置いて、マスキングを外したら出来上がり。塗り肌が気になる人はコンパウンド掛けをすればもう完璧です。自分で修理したなんて絶対にわからないはずです。自分以外ね。